約30年の時を経てようやく完成した『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』観てきました。 CM監督トビーは新作の撮影に難航していた。その夜、自身が卒業制作で作った『ドン・キホーテ』のDVDと奇妙にも再会を果たす。次の日、そのロケ地の村へ記憶とともに赴くと、ドン・キホーテを演じた男がドン・キホーテのまま生きていた。キホーテはトビーを相棒サンチョだと呼び、騎士道の旅に連れ出す。自らの作品で狂ってしまった村から、狂ってしまった男とともに、摩訶不思議な旅が始まる。 テリー・ギリアム作品はいつくか観てますが、1位2位を争うくらい好きな作品かもしれません。とにかくアダム・ドライバーがいい。彼はこの作品の救世主ですね。自分のことしか考えてないどうしようもないやつで、自分が大切にしてたものを侵害させれるとそれを守りたくなるやつ。あれ?どこかで見たような?でも全く違う人物で、でも愛さずにはいられない、とてもいいキャラクターでした。友達になりたいクズ野郎。 もう一人の救世主は言うまでもなくジョナサン・プライス。キホーテ演じる元靴職人のビフォーアフターはまるで別人のようでした。演じてるよりももう本人と感じるほどの憑依っぷりで、なりきったで賞ならジョーカーに匹敵するくらい。いろんな意味で。 そして、アンヘリカの美しさ。 物語は現代のできごと、卒業制作時のできごと、卒業制作ドン・キホーテのできごとの、3つが交差していきます。観る側もどれが現実かわからなくなってしまうギリアムエフェクト。しかし次第に3つの物語に共通する人物が揃うと、絶妙なタイミングで現代版ドン・キホーテの物語となり、加速していく。最後には、原題: The Man Who Killed Don Quixoteの意味が理解できるはずです。 とにかく笑って楽しめる映画。年明けで疲れた身体にはこんな現実逃避な作品もいいかもしれません。 #映画 #映画感想 #映画鑑賞 #映画記録


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