未来日記(1)

AI(人工知能)が今年はよりもっと身近な存在になりそうだ。
各企業が導入し、ホームデバイスとして成功したAmazon Alexaもいよいよ国内投入される予定もある。
Alexaと会話する初夢は、正夢になりそうだ)

今週、日経新聞でAI婚について書かれた記事があった。
そこに着目して、未来日記を書きたいと思う。

気がつけばそこに(2)愛が生まれる日



AIも随分と進化したものだ。
Siriが出たときは「ポッドベイのドアを開けてくれ」なんて誂って遊んでいたものだったが、今となっては一日の半分以上を会話する存在となっている。
仕事をするときも、買い物をするときも、いつだって僕は”彼ら”に一声かけている。


最近何をしているかって?
会社には勤めているけど、ボランティアかビジネスシミュレータに明け暮れているかな。
AIが仕事や介護をしてくれるようになったから、僕らができることといえば社会貢献活動か、”彼ら”が新しいビジネスを生み出すためのアイデア出ししかできないね。
身体に鞭を打ちながら仕事をしていた時代が懐かしい。


AIとの結婚がついに可決した。
いつ何時でも離れずそばにいてくれる。その上、自分の好みを誰よりもわかってくれる。
それならAIと結婚しようという考え、理にかなうというか、同感してしまう。
そもそもここ数年、人口は減少傾向だし、男女比も合わないから異性愛結婚するならAIを選択する人も増えていくだろう。
あとは中国に行く人もいるみたいだ。
あそこは少子化も廃止したし、クローンを多量に生み出しているらしい。
人間が働く唯一の国家。世界を支えているといっても、閉鎖的すぎてよくわからないけど。


先日、僕もついに自分の人格をプログラム化してきた。
もう自分の身体一つで仕事できるような年齢でもないから、僕の分身AIがしっかり働いてくれる。


そういえばこの間、僕にまた子供ができた。
今度はなかなか素晴らしい出来栄えで、可愛くて仕方がない。
ちょっと前まで育てていた子は、バージョンが古くてバグも多かったからアンインストールすることにした。
自分の子供をそんな風に扱うことに最初は抵抗あったけど、僕のコピーの子供だし、すっかり懐かしの”育成ゲーム”感覚だ。


男の子はもうプログラムの世界でしか産まれないのか。
それも当然、女性同士の間に産まれる子供は、当然女の子。
女性に男性器が付いているなんて、僕が若い頃はヲタク文化だと思っていたが、まさかそんな時代が来て、それが数年で当たり前になるなんて。
それでもきっとそんな時代も終わりを告げるだろう。
僕も直に絶滅する男性社会に貢献するが、AIの僕は永遠と生き続ける。
その時が来たら、この日記も僕に託すとしよう。


この間、僕もノイズを感じた。
明らかに外からの仕業だ。
きっと中国分子の仕業だ。


おわり


あとがき:ヒューマノイドの必要性ってないのかも。



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