Messenger Bot Storeがどんなものか考えてみた


今年、4/12~13に開催されるF8カンファレンスで、
Facebookが「Messenger Bot Store」を発表するのではということが話題になっている。

昨年のF8で開発者たちを喜ばせた「Messenger API」と少し似たようで、
更に大きなビジョンを持ったものなのではないかと推測している。

ちなみにこのとき、僕はついにLINEからMessengerに代わる時代が来たと思ったのに、
僕の周りは誰一人興味を示さなかった。

「Messenger Bot Store」は、AppleのApp Store以来の大革命だと言われている。

ボットといえば、Twitterが爆発的に人気を博していたときに、
みんな面白がってフォローしたあれと基本的には変わらない。

しかし今のボットはあの頃のように独り言しか言わない子供じみたものではなく、
対話をする、いわば、コンシェルジュ(執事)だ。

コンシェルジュは既にSiriやGoogle Now、Cortana、
といったAIサービスが存在しているが、
Facebookが目指しているボットは、更に一歩先を行く存在だ。
これが今、Webページやアプリを喰い、代わるサービスとなろうとしている。

ピザの注文を例に説明してみよう。

これまでネット上でピザを注文する場合は、
Webページへアクセスするか、アプリを開くかして、
そのピザ屋がこだわってトッピングした注文フォームからオーダーすることになる。
いつも同じピザ屋しか使わないのであれば、大変なのは最初の一回だけだろう。
しかし今度は、他のピザを頼もうとすると、
生地を変えるのはどうすればよいのか、サイドメニューを追加するのはどうすればよいのか、
迷ったあげく諦めてしまうなんてことはよくある話だ。

ブラウザやOSというプラットフォームは共通していても、
そのインターフェース部分がマチマチなのが
Webページやアプリの良い所であったが、悪い所になりつつある。

これをボットに置き換えるとどうなるのか。

ピザの注文にはMessangerで今日の気分のピザ屋のアカウントを開く。
「注文」といえば、メニューを返してくれる。
ピザを決めたら、サイズやトッピングを聞いてくれる。
お好みのピザが完成したら、サイドメニューも勧めてくれる。
すべて決まれば支払い方法を確認してくれる。
あとは、ピザが手元に届くのを待つだけ。

とてもシンプルで誰だってできる。
なぜなら、実店舗でオーダーするのと何も変わらないからだ。

さて、実はこの話題、日本人には「いまさら?」という意見も多い。
LINEの公式アカウントと違うの?と。
まぁおそらく、その通りだろう。笑

ドミノ・ピザの注文や、みずほ銀行の残高確認など、
LINEはすでに対話型のサービスをはやくから取り組んでいる。
僕も実際に利用して以来、ピザはLINEで注文している。

また、先日スティーブ・ウォズニアックもAmazon Echoを絶賛していたが、
こちらは音声でボットとコミュニケーションができるガジェット。
ボットはテキストというコマンドさえ実行できれば良いので、
入力が音声であっても、翻訳言語であっても利用できる。
パソコンやスマホがなくても、英語がしゃべれなくても、
世界中のありとあらゆるサービスが利用可能となる。

Facebook MessengerはLINEに比べ、すでに世界中で多くのシェアを獲得している。
さらにMessenger APIで、アプリ自体をカスタマイズすることも可能だ。

高品質な有料ボットや、ボット間を繋ぐサードパーティなどが次々と現れるだろう。
そうすればもうアプリはアンインストールされて、みんなBot Storeに群がるかもしれない。

まさにApp Storeに代わるゴールドラッシュの可能性をMessengerは秘めているのだ。


最後に、おそらくボットはただのオーダーシステムに留まらないだろう。
ボットが会話する相手は人間だけではない。
機械同士の会話もボットで行うことだってできる。(M2M = Machine to Machine)

「もうすぐ家に帰るよ」と言えば、
家族に連絡して、HEMSがエアコンと風呂に会話をして帰宅準備を整え、
最後には冷蔵庫の中身からレシピを考えるか、出前のオーダーを提案してくれる
なんてことも現実になるかもしれない。

HAL 9000やSamantha、J.A.R.V.I.S.のような存在が、もうすぐ目の前に現れるかもしれない。
今話題のVRも広まれば、こういったインターフェースは重宝されるはずだ。(WALL・Eの世界のように)

Facebookには期待のルーキー、Mが出番を控えているし、
なんたってザッカーバーグの今年の目標は、J.A.R.V.I.S.のようなAI執事を作ることだそうなのだから、
可能性は十分に考えられる。

そう、未来はもうすぐそこに来ている。

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