Interstellar / インターステラー


これはただの宇宙旅行記でも、家族愛を描いた物語ではありません。
ワームホール、ウラシマ効果、ブラックホール、五次元宇宙、という、
”人類未開”の歪んだ時間軸での宇宙の物語が進む中で、
愛や怒りという、人間の潜在的な感情の宇宙が地球時間で描かれていく。

時間の間隔を失う、実に神秘的な”人類未開”のヒューマンドラマでした。

映像作品としての完成度は非常に高く、
静寂なオープニングや管楽器の余韻が残る楽曲、
閃光が走るワームホールの描写、
そして精神と生命を繋ぐスターチャイルド的な神秘体験など、
それはまるで新世代の『2001年宇宙の旅』。

これにクリストファー・ノーラン独特の、
異次元空間表現と、内から沸き起こる興奮が絶好調に達するクライマックスという、
感情や感覚を刺激する要素が加わる。

未知なる世界でありながら、何か確実に熱くなるものがそこにありました。

しかしながら、一点だけ腑に落ちないのが、
あの座標はどういう意図で送られたものなのか。
それが全ての始まりではあるが、大きな矛盾でもある。


(2014/11/22 ユナイテッドシネマとしまえん IMAX)

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